| 曲家の入り口は、L字型に突き出たところにあります。引き戸を開けると奥に向かって土間が広がっています。昔は土間が、農作業空間であったうえ、トイレ、うまやがあり、風呂桶も置かれていましたが、馬がいなくなり、床が貼られて、すっかり改造されています。土間の正面はしたえんと呼ばれる部屋で、炊事、食事、近所の人との応対など、日常生活の中心となるところです。以前は板敷きで土間との間は、吹き放しのため、夏は涼しく気持ちがいいのですが、冬は囲炉裏だけでは我慢できないほど寒かったそうです。今は建具を入れ、畳が敷かれ暖房も改良されて過ごしやすくなっています。したえんの下手は、土間が続き水場(ながし)になっていました。 |  |  |
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| したえんのかみ手は、20畳近いうわえんと呼ばれる部屋になります。うわえんは、畳敷きで、大きな囲炉裏が設けられ、神棚もしつらえています。天上は高く梁組みが豪快に見えることもあります。したえんに比べ格式が高く、以前は寄り合いや結婚式、葬式に用いられていました。しかし、最近は家の中で寄り合いや結婚式を行なわなくなったため、新たな使い方が模索されています。うわえんのうら手には、ちゅうもんと呼ばれる小さな部屋があります。したえんと部屋をつなぐ位置にあり、最近は物置にしている家が多いのですが、以前は大家族で住んでいたため寝室として使われていました。うわえんのかみ手には、もっとも格式の高いざしきがあります。ざしきは、床の間、仏壇がおかれ部屋の造作も丁寧で、天上も張られています。日常は使わず、正月、結婚式、葬式などの儀式や行事、大切なお客の接待などにもちいられました。家族が多い時には、一時的に寝室として転用されることもあったようです。 |  |  |
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| うわえんのうらてにへやとよばれる小さな部屋があります。開口部は少なく、閉鎖的ですが、プライバシーの高い部屋で世帯主夫婦の寝室として使われていました。また、出産が家でおこなわれていた頃は、へやが用いられたそうです。 |  |  |
| 曲家の間取りは、だいたいこのような、構成をしています。見て直ぐわかることは、開放的で、融通性があることでしょう。しかし、時代とともに、ライフスタイルが変化すると寒さが厳しい、プライバシーが少ない、個室が足りないことが欠点になってしきました。そこで、伝統を生かしながら改造が工夫されています。土間の床上化やしたえんの建具もその一つです。うわえん、したえんに天井を張った住まいも多くなりました。2階を寝室に改良する例も多く見受けられます。 |